時計
腕時計のブランドを独断と偏見で仕分けする
時間を知りたいだけなら、スマホを見れば済む。それなのに、腕時計の話になると、なぜかみんな少しだけ真剣な顔になる。
袖口からちらっと見える数センチに、その人の性格が全部出てしまう気がする。というわけで、横を「お手ごろか、贅沢か」、縦を「一生ものか、気分で替えるか」にして、10のブランドを勝手に並べてみた。
勝手に地図
セイコー オメガ シチズン セイコー タグ・ホイヤー ハミルトン G-SHOCK ダニエル・
ウェリントン Apple Watch
定価を調べて並べたわけじゃなくて、名前を聞いたときの「高そう」と「長く使われていそう」の印象で置いています。時計の精度や品質とは関係ありません。
ロレックス
腕時計の話をすると、だいたい最後はこの名前に行き着く。
欲しいモデルを求めてお店を何軒も回る人がいる、という話は時計に興味がない人の耳にまで届いている。時計を買いに行っているのか、修行に行っているのか、だんだんわからなくなってくる。
地図の右上の角に置いた。ここまで来ると、時計というより、腕に巻く資産。時間を見るたびに、ちょっとだけ相場のことも考えていそう。
オメガ
月に行った時計。スピードマスターがアポロ計画の宇宙飛行士の腕にあった話は、何回聞いてもかっこいい。
しかも映画のスパイの腕にもいる。宇宙とスパイの両方を押さえている時計なんて、ずるいとしか言いようがない。ただ、持っている人のほとんどは、月にもスパイ映画にも行かずに、普通に会議室で時間を確認している。
グランドセイコー
セイコーの中の、いちばん本気のライン。
文字盤をじっと見ていると、光の当たり方で表情が変わる。時計に詳しい人が「わかってる人はグランドセイコー」と言うときの、ちょっと得意げな顔まで含めて、このブランドの印象になっている気がする。そしてその話を聞かされた人は、たいていロレックスとの違いを最後まで理解できない。
セイコー
1881年に時計の販売から始まった、日本の時計の顔。
世界で最初のクオーツ腕時計を出したのもセイコー。そんなすごい歴史があるのに、多くの人にとっては「入学祝いでもらった最初の時計」のブランドだったりする。すごさが身近すぎて、すごさに気づかれにくい。それがセイコーの、ちょっとだけかわいそうなところ。
シチズン
光で動くエコ・ドライブの印象が強い。
電池交換に行かなくていい、というだけで、腕時計とのつきあいが急に楽になる。持ち主は、その便利さに慣れすぎて、時計がどうやって動いているのかを完全に忘れている。たまに「これ、電池いつ替えたっけ」と考えて、一度も替えていないことに気づく。
G-SHOCK
1983年に生まれた、頑丈さの代名詞。
ぶつけても落としても平気そう、という安心感がすごい。だからこそ、持っている人の多くは時計を一切いたわらない。限定モデルを何本も集めていて、その日の服に合わせて付け替えている人もいる。一生ものというより、一生かけて集めるもの。
タグ・ホイヤー
モータースポーツの印象が強い、スイスのブランド。
文字盤を見ていると、なんとなくサーキットの音が聞こえてくる気がする。実際の通勤は、渋滞の中か満員電車の中。時計だけがずっとレースをしている。初めて自分へのご褒美に買う「いい時計」として名前が挙がりやすいのも、たぶんこのあたりの絶妙な距離感のせい。
ハミルトン
アメリカで生まれた時計ブランドで、映画の中で見かけることが多い印象がある。
あの映画のあの場面でつけていた、という話から入る人がやたら多い。時計そのものより、スクリーンの中の記憶とセットで欲しくなる。腕につけた瞬間、ちょっとだけ主人公の気分になれるのは、たぶんこのブランドの特権。
ダニエル・ウェリントン
2011年にスウェーデンで生まれたブランド。
SNSで、薄くてシンプルな時計がおしゃれな写真と一緒に流れてきた記憶がある人も多いと思う。誰かへのちょっとしたプレゼントに選ばれやすいのは、気負わずに渡せるからだと思う。ただ、もらった側が同じ時計を自分でも買っていた、という気まずい事故も、たぶんたまに起きている。
Apple Watch
時計の形をした、もう一台のスマホ。
歩数もメールの通知も、全部手首に飛んでくる。時間を見るために腕を上げたはずが、通知に気を取られて、結局何時だったか覚えていない。数年ごとに新しいモデルが出るので、一生ものではなく、一生付き合うシリーズ。毎晩充電しなきゃいけない腕時計というのも、冷静に考えるとかなり新しい。
まとめ
並べてみると、腕時計は時間を知るための道具というより、自分がどういう人に見られたいかの名刺みたいなものなんだと思う。一生ものを一本選ぶ人も、気分で付け替える人も、どっちも袖口でちゃんと自己紹介をしている。
なお、この記事を書いているあいだに何度も時間を確認したけど、見ていたのはずっとスマホだった。
※この記事は個人の独断と偏見です