部屋
家具・インテリアのお店を独断と偏見で仕分けする
引っ越しが決まると、なぜか急に「今度こそ部屋をおしゃれにする」と決意してしまう。そして半年後、段ボールがひとつだけ開けられないまま、部屋の隅で静かにテーブル代わりになっている。
そんな決意を毎回受け止めてくれる家具とインテリアのお店を、横を「お手ごろか、ちょい贅沢か」、縦を「シンプルか、かわいいか」にして、10個勝手に並べてみた。
勝手に地図
ショップ IKEA KEYUCA ニトリ ジャーナル
スタンダード
ファニチャー LOWYA unico ACME
Furniture フランフラン
値段を調べて並べたわけじゃなくて、お店に入ったときの財布の緊張感と、売り場の雰囲気の印象で置いています。家具の品質や丈夫さとは関係ありません。
ニトリ
北海道の札幌で始まったお店。「お、ねだん以上。」のあの節は、たぶん頭の中で勝手に流れる。
引っ越しの日に、カーテンと布団をまとめてここで揃えた人はかなり多いと思う。そして友だちの家に遊びに行ったとき、自分の家と同じクッションが置いてあって、お互いに気づかないふりをする。
地図の左端に置いた。あまりにも生活に溶け込みすぎて、ニトリの家具はもう家具というより、部屋の初期設定。
無印良品
1980年に、西友のプライベートブランドとして生まれた。いまや「無印っぽい部屋」という言葉が通じるくらい、ひとつのジャンルになっている。
収納用品をそろえ始めると止まらない。ファイルボックスを同じものだけで揃えた棚を見ると、それだけで生活が整っているように見える。中身がぐちゃぐちゃでも、外から見えなければ勝ち。
シンプルのいちばん上に置いた。ここより上は、たぶん何もない部屋しかない。
IKEA
スウェーデンからやってきた、巨大な倉庫みたいなお店。
ショールームを一周するだけで一日が終わる。ミートボールを食べて、青い大きな袋に小物を詰めて、気づけば最初に買うつもりだった棚のことを忘れている。家に帰ってから六角レンチを片手に説明書と向き合い、ネジが一本余ったとき、人は少しだけ大人になる。
組み立てまでがIKEA。完成した棚より、ふたりで組み立てて喧嘩しなかったことのほうが自慢になる。
フランフラン
ピンクとゴールドの、きらきらしたお店。
入った瞬間に甘い香りがして、ハートの形のクッションと目が合う。部屋をかわいくしたい気持ちが最高潮のときに入ると危ない。帰り道、なぜかシャンデリアみたいな照明を抱えていて、自分の部屋の天井の高さを思い出す。
地図のかわいいの側、いちばん下。ここまで振り切ってくれると、もう清々しい。
unico
木の家具と、少しくすんだ色のファブリック。おしゃれな部屋の写真を見て「これどこの?」と聞くと、けっこうな確率でここの名前が出てくる。
ヴィンテージっぽいソファに、ラタンの小物。カフェみたいな部屋に住みたい人の、最初の一歩を引き受けてくれるお店な気がする。ただ、部屋がカフェっぽくなりすぎて、家なのにコーヒーを自分で淹れるのが少し面倒になる。
LOWYA
ネットで家具を探していると、よく見かける名前。
写真がとにかくおしゃれで、スクロールしているうちに「この部屋に住みたい」と思わされてしまう。届いた家具を自分の部屋に置いてみて、問題は家具じゃなくて部屋のほうだったと気づく。あの写真の部屋には、たぶん床に洗濯物が落ちていない。
KEYUCA
読み方は「ケユカ」。最初に見たとき、正しく読めた人はあまりいないと思う。
食器やキッチン用品の印象が強くて、シンプルなのに、ほんの少しだけ気が利いている。無印より少しだけ背伸びしたい日に、ちょうどいいお店。ただ、その「少しだけ」の違いを家族に説明しようとすると、うまく言葉にならない。
ジャーナルスタンダードファニチャー
セレクトショップの記事にも出てきた、ジャーナルスタンダードの家具のお店。
古い木の風合いと、鉄の脚。服の雰囲気をそのまま部屋に持ち込んだような印象がある。ここの家具がある部屋の住人は、たぶん観葉植物の水やりを欠かさない。服の記事でも同じことを書いた気がするけど、それくらい印象がぶれない。
ACME Furniture
ロサンゼルスのヴィンテージ家具を思わせるお店で、ジャーナルスタンダードファニチャーとは同じグループの仲間。
使い込まれたような革のソファに座ると、急に西海岸のガレージにいる気分になる。日本の六畳間に置くと、ソファだけがアメリカにいる。それでも置きたいと思わせる強さがある。
ザ・コンランショップ
1973年にロンドンで始まったお店。
店に入ると、椅子一脚の値札を見て、もう一回見る。デザインの名作がさりげなく並んでいて、眺めているだけで美術館に来た気分になれる。買うかどうかは別として。
地図の右上に置いた。ここで何か一つ買ったら、その一つを中心に部屋を全部作り直したくなる。そういう危ないお店。
まとめ
並べてみると、家具のお店選びは、いまの部屋より「なりたい部屋」で選んでいる気がする。シンプルな部屋に住みたい人も、かわいい部屋に住みたい人も、結局いちばん場所を取っているのは洗濯物なんだけど。
次に引っ越すときこそ、段ボールを全部開けたい。
※この記事は個人の独断と偏見です