アウトドア
アウトドアブランドを独断と偏見で仕分けする
冬の朝の駅のホームに立つと、黒いダウンを着た人が三人に一人くらいいる気がする。山に登るわけでもないのに、なぜかみんな雪山に耐えられる格好で電車を待っている。
アウトドアブランドは、いつのまにか山より街で見かけるものになった。そこで、横を「お手ごろか、ちょい贅沢か」、縦を「街で着るか、山で使うか」にして、10のブランドを勝手に並べてみた。
勝手に地図
フェイス チャムス パタゴニア ワークマン ヘリーハンセン コロンビア アーク
テリクス モンベル コールマン スノーピーク
値段を調べて並べたわけじゃなくて、店や街で見かけたときの印象で置いています。山で使えるかどうかや、品質の良し悪しとは関係ありません。
ザ・ノース・フェイス
街のアウトドアといえば、まずここ。
通勤電車でも、休日のショッピングモールでも、あのロゴの入ったダウンを見かけない日のほうが少ない。もはや山の服というより、冬の制服に近い。
それでも、着ているとなんとなく「いつでも山に行ける人」に見えるのがいい。行くかどうかは別として。
パタゴニア
環境への取り組みで名前を聞くことの多いブランド。
フリースを着ている人には、なぜか朝ちゃんと自炊していそうなイメージがある。古くなった服を修理して着続けている人もいるらしくて、その話を聞くと、新しい服をすぐ欲しくなる自分が少し恥ずかしくなる。
街側に置いたけど、本当は海や山の匂いがずっとしているブランドだと思う。
モンベル
1975年に大阪で生まれた日本のブランド。
山小屋や登山口で見かける率がとても高い。派手さよりも、使う人の身になって作っているような安心感がある。親子で同じブランドを着て山を歩いている家族、きっとけっこういる。
地図の真ん中より少し下。値段も気持ちも、ちょうどいいところにいてくれる。
ただ、全身モンベルで近所のスーパーに行くと、山の人に「どこ登るんですか」と話しかけられそうで、少しだけ気まずい。
アークテリクス
名前の由来は、始祖鳥。
本格的な山の道具として知られている一方で、最近は街で着ている人も増えた気がする。シャカシャカした質感のシェルジャケットを、無地のパンツに合わせて駅を歩いている人を見ると、ちょっと背筋が伸びる。
値段の面では、この地図でいちばん右側。気合いを入れて買うブランドというのが、たぶん正しい付き合い方。
ロゴを見て、値札を見て、もう一回ロゴを見る。たぶん、そういう買い方をされているブランド。
スノーピーク
新潟の燕三条から生まれたブランドで、キャンプ道具の印象が強い。
焚き火台やテントを並べて、週末をまるごと外で過ごす人たちの持ち物という感じがする。道具を一つずつ揃えていく楽しさを、ちゃんと分かっている人向けのブランド。
ここのマグカップで朝のコーヒーを飲めたら、たぶんそれだけで休日の勝ち。
道具を揃えるのが楽しすぎて、キャンプに行く回数より、ベランダで道具を並べて眺める回数のほうが多い人もいそう。
コールマン
キャンプを始める人が、最初に名前を覚えるブランドな気がする。
テントもランタンも、ホームセンターやアウトドアショップで気軽に手に取れる。週末のキャンプ場で、家族のテントの横にコールマンのクーラーボックスが置いてある光景は、もう日本の夏の景色の一つかもしれない。
キャンプ場で同じテントが三つ並ぶと、どれが自分のテントか一瞬わからなくなる。
コロンビア
アメリカのポートランド生まれのブランド。
派手な主張はしないけど、雨の日の通勤でも、軽いハイキングでも、気づけば頼りにしている。お手ごろな値段で一通り揃えられるのは、これから山を始める人にとってかなりありがたいはず。
主張しないぶん、何を着ているのか誰にも気づかれない。それも一つの才能だと思う。
ヘリーハンセン
1877年にノルウェーで生まれた、海の印象が強いブランド。
マリンスポーツの人たちに長く愛されてきたイメージがあって、山のブランドとは少しだけ空気が違う。街で着ると、さわやかな北欧っぽさが出る。夏のフェスで見かけることも多い。
海のブランドなのに、着ている人のほとんどは海に出ない。
チャムス
カツオドリをモチーフにした、とぼけた顔の鳥のキャラクターでおなじみ。
アウトドアブランドの中で、いちばん「かわいい」に振り切っている気がする。カラフルなトートバッグやスウェットを持っている人は、たぶん休日の予定を立てるのがうまい。山より、キャンプ場の隣のカフェが似合いそう。
ワークマン
もともとは作業服のお店。
それがいつのまにか、キャンプや釣りをする人たちの味方になっていた。この値段でこの機能、と驚く人が後を絶たない。地図ではいちばん左に置いたけど、お手ごろなのに街でも山でも使えるのは、正直ちょっとずるい。
まとめ
並べてみると、アウトドアブランドって「山に行く人の服」と「山に行けそうな気分になれる服」の両方の顔を持っているんだと思う。どっちで着ても、たぶん間違いじゃない。
次の冬も、駅のホームは黒いダウンでいっぱいになる。山に行く予定はまだない。
※この記事は個人の独断と偏見です